Motoguzzi V7 Racer Record Limited

出会い

 知り合いの車屋さんに寄っている時、たまたま

   「モトグッチ欲しいんですよね〜」

て何気なくつぶやいていたところ、それから数日後、車屋さんの社長から

   「うちのお客さんでモトグッチ持っている人がいて、君になら売っても良いと言ってるよ」

との連絡が!

 そのバイクは、しばらくその車屋さんに展示してあった物で、

   「君もみたことあるよ」

との事。

 思い起こせば数年前、シルバーメッキのものすごくカッコ良いモトグッチが展示してあったのを思い出しました。

 当時から

   「めちゃくちゃカッコえ〜」

と思っていたのですが、そのバイクを譲っていただけるとのこと。

 20年以上通い続けている車屋さんで、社長を信頼しきっているので、現車を見ずに

   「ぜひ購入させて下さい」

と即答していました。

  それがこいつです。

 もうめちゃくちゃカッコ良いんですよ!!(個人の感想です)

 しかも走行距離が驚きの

    419km

素晴らしい車両です。

 しかもずっとガレージ保管。状態は最高でした。

車両について

 2013年式ということもあり、最新のV7Ⅲとは全く違うんですが、それもまた良いと思います。

 大体私は、このV7以外のモトグッチを見たことも触れた事もないんですけどね。

 ですので、現行のV7Ⅲとは全く違うとしか知らず、どこが違うかはほぼ知りません。

 何となく知っている情報では、V7Ⅲとの違いが、

 馬力が低く、タンクが小さく、5速ミッション、ヘッドライトがハロゲン、乗車定員が一人だけ。

 まだまだあるみたいですが、主だったところはこんなところですかね。

 それでもアルミのシリンダーヘッドやイタリア製のロケットカウル(製造メーカーが潰れて、もう生産できないらしいです)、剥き出しのプラグコード等々、無印V7の方が見た目は好きですね。

 個人的に灯火類もLEDより、普通のバルブの方がモトグッチには似合っていると思います。

 そして細かく見ていくと、こちらを見て下さい。

手書きのシフトパターンです。

 こういうところが、たまらなく愛おしくなってきます。

 もしかしたら、最初貼付していたシフトパターンが剥がれて全オーナーが書いたのかも知れませんが、もし新車でこれが書かれてあるとすれば、素晴らしいメーカーだと思います。

 こういう大らかな雰囲気が私は大好きです。

 あとメーター回りで、デジタル表示部があって、こちらなのですが、

 左がODOとトリップ、右が温度と時刻が表示されるようになっているのですが、私は常にトリップと時刻にしておきたいのに、エンジンを切るたびにODOと温度が表示されるのです。

 あとボタンが固く、押した感覚も鈍い。グローブを着けたままだと、ボタンを押せてるかどうかわからない。

 さすがイタ車!こういう所まで憎めないやつですね。

乗り味

 至極普通です。

 普通に楽しいです。

 セパハンのため前傾姿勢になります。

 長距離はそこまでキツくないです。

 シーン別に説明すると、

街乗り

   軽さは正義

です。取り回しが超絶楽です。

 最近の国産車も車重の割にバランスが素晴らしく良いので、取り回しに苦労することはほぼないのですが、V7は車体自体も小さいので、原付感覚で乗り回すことができます。

 ただセパハンに慣れていないので、フルロックターンがいまだにスムーズにできません…

 今まで20年くらい大型に乗ってきて、

   「原付二種が1台欲しい」

とよく思っていたのですが、V7が来てからは全く思わなくなりました。

   「ちょっとコンビニに」

って時でも気軽に乗ることができます。

 本当に

   コンビニから北海道まで

十分にこなしてくれる一台だと思います。

高速

 750cc40馬力……明らかに非力に思われますが、直進安定性に優れていて加速も十分あり、追い越しも悠々こなせます。

 個人的に以前乗っていたCB1300SBよりも楽に高速走行ができると思います。

 今まで乗ってきたバイクの中では、FJR1300の次に高速走行が楽な車両です。

郊外

 非常に素直な動きを見せてくれます。

 乗り手の意思を尊重するかのような動きをしてくれて、曲がることが楽しくなります。

 もっと速く走れるバイクは山ほどあると思いますが、バイクとの一体感を感じれるバイクはそうないと思います。

総合的に

 今まで乗ってきたバイクを全て覚えているわけではないので、最近乗っていたバイクとの比較になるのですが、FJR1300はとにかくツーリングが楽、ただ街乗りはあんまりしたくない、CB1300SBは取り回しがしやすく、オールマイティ感を醸し出しながら、街乗りでの図体のデカさが気になり、また加速が雑で、スムーズさに欠けていると個人的に思っています。

 それがV7では、セパハン、バックステップのため前傾姿勢になって、当然体勢的にきついのですが、そのキツめの体勢が、小さい車体を体を使って包み込んでいる感じとなり、より一体感が感じられることに繋がっているとと思います。

 私の乗っているV7は、今時の250ccバイクよりも馬力が少ないのですが、この前北九州空港連絡橋や峠を走っていて思いました。

   FJR1300やCB1300SBの時と景色の見え方が全く違う

と。

 木々の色合いや、海と空の色、風の香り、湿度や気温、全てが心地よく感じ、馬力を限界まで引き出すより、バイクと自分の腕に合わせた走りを楽しむことができるようになったように思います。

 今までは、バイクの性能が良すぎて、自分の感覚と腕がついて行ってなく、バイクと自分の感覚がシンクロしていなかったのでしょう。

 その点私のV7はまさに今の私にぴったりのバイクであったと思います。

 気持ちよく吹け上がるエンジンと、しっかりしたミッション、思い通りに倒れ込む車体、思い通りの加速ができるアクセル、適度なクラッチの重さ、狙い通りに止まる絶妙の制動力。

 性能は今時の250ccの方が良いかもしれませんが、自分の気持ちと同調できるバイクはV7以外ないでしょう。

 私の最後のバイクになりそうです。

 

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